吃音の発生

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吃音の発生

吃音の始まりが発語の非流暢性(つまずき)にあるのは明らかです。吃音がいつごろ、どうして始まるのかはいまだ限定的に述べられないのが現状です。

ふつうは幼児期に発症するのがほとんどです。脳の損傷や病気などが原因で起こる言葉の非流暢性や、心因性反応のひとつとみなされるヒステリー性吃音など特殊なケースを除くと、児童期以後に吃音が発生することはまずないと言われています。

3歳から4歳ごろの年代では、発語に一過的に非流暢性が出現する事実が確かめられています。この現象は「正常ではあるが流暢性に欠けた話し方」(normal disfluency)と呼ばれています。

子供が示す非流暢性が、言語が発達していく過程で起きる一過性の現象で、正常とみなしうるものなのか、あるいは、吃音の初期症状とみなすべきものなのかを判断するのは非常に難しいものです。

ヤイリとルイスの研究(1984年)

親によって吃音と判断された子供と、そうでない子供のそれぞれの非流暢性にみられる特徴について行われた研究です。

【被験者】  
吃音児と正常児の2つのグループからなる。

吃音児群(実験群)
10名(男女各5名)、平均年齢29ヶ月、両親が吃音児と判定した者である。吃音以外に問題がなく正常な発達を示していること、発症の時期を特定でき、かつ信頼性が高いことを条件とした。発症からの期間は2~8週間(平均6週間)であった。
正常児群(実験群)
両親が吃音でないと判定した子どもで吃音児群の一人ひとりと年齢、性が一致するように選んだ。また吃音歴もなく発達は正常であり、保育園や幼稚園に通っていることを条件とした。

【研 究】  
これら2群の子供達が、それぞれ一人の大人と自由に遊んでいるときの自然な発話からスピーチサンプルを作り、それを分析対象とした。

【結 果】  
吃音児に最も頻繁に現れた非流暢性は、語の部分の繰り返し、不整リズムを伴う発声、1音節語の繰り返しであった。一方正常児の場合は、挿入語、語の部分の繰り返し、言い直し(未完結の語句)であった。どのタイプも吃音児群の方が高頻度であったが、両群間に有意差が認められたタイプは、語の部分の繰り返しと不整リズムを伴う発声の二つであった。

非流暢性の程度は、1度の繰り返しでの連発回数で表してある。吃音児がある単位を1度に繰り返す回数(連発回数)は、5つの繰り返しタイプのうちの4つのタイプにおいて、普通児のそれよりも多かった。吃音児群に最も共通に現れたタイプの語の部分の繰り返しでの連発回数の値には特に注目したい。吃音児の連発は1~11、普通児は1~2であることから、普通児がある単位を1度に2回以上連発することは、きわめてまれであることがわかる。1音節語の連発回数にも、両群間には有意差があった。

以上にみたようにこの研究データは、吃音とみなされた子供の非流暢性と、正常とみなされた子供の非流暢性の間に、重大な差がある可能性を示唆している。つまり、2~3歳の普通児群にはさまざまなタイプの非流暢性が認められたが、そのうちのあるタイプはわずかに認められた程度である。挿入語、言い直し、語の部分の1回だけの繰り返しが主であり、語の部分を1度に2回以上繰り返すことは、ほとんどなかった。

【結 論】  
吃音と非吃音を区別する最も有力な手がかりは、語の部分の繰り返しの有無と、その連発回数であるとした。                                                           

アメリカの言語病理学者 ヴェンデル・ジョンソン博士の診断起因説

幼児期は言語が最も急速に発達する時期であり、この時期には言語発達が十分でないために、単語や句を繰り返したり、つまったりすることが多く見られると言います。これは放っておいても脳や言語器官の発達に伴って自然に消失するものです。

しかし、神経質で無知な親たちが、流暢でない話し方を気にしたり、吃音を恐れたりして、話し方やはっきり話すことに注意を向け、子供が要求している話の内容を素直に受け入れることより、話し方そのものにだけ注意を向けて叱ったり矯正しようとしたりします。こうなると、子供の要求は一時的にせよ阻止されてしまいます。

また、話し方を注意されたり、何度も言い直しを強制される時の親の批判的な目や不安そうな表情が、子供に話すことに対する不安や恐れを抱かせることになります。子供にとって、特に意識することもなかった話し方が、ここで急激に意識されることになり、話すことを恐れて、緊張するようになり、ますます話し方は非流暢になり、どもるようになります。

これが強化され、習慣となり固定されてしまったのが吃音となるのです。つまり、聞き手が話し手の非流暢性を吃音と評価することによって吃音が誕生するというわけです。多くの場合、母親が吃音の第一発見者だといわれます。

吃音がいったん慢性化してしまうと、どもりはじめのころと同じ状態が続くということはほとんどありません。言語症状とそれに伴う心理状態は、時が経つにつれて徐々に悪化への道をたどり、変化を重ねていくものです。

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